エクストリームウォーク2023秋(10/21(土)~10/22(日))に参加しました。
初挑戦で1人での参加です。準備不足でボロボロになりながらもゴールできました。
その内容や感想などをお伝えします。今後参加を考えている方への参考になれば幸いです。
- 参加の動機
- 事前の準備
- 結果
- 通過するチェックポイント(CP)と閉門時間
- スタート~CP1(平塚漁港しおかぜ広場):23km(8:20~13:20(5時間))
- CP1~CP2(湘南海岸公園 水の広場):11km(13:40~15:30(1時間50分))
- CP2~CP3(横浜市児童遊園地):21km(16:00~21:15(5時間15分))
- CP3~CP4(ポートサイド公園):14km(21:30~01:00(3時間30分))
- CP4~CP5(鈴ヶ森道路児童遊園):18km(02:00~06:50(4時間50分))
- CP5~ゴール(新豊洲Brilliarランスタジアム):13km(07:00~10:30(3時間30分))
- 結果の詳細
- 予想外の出来事(トラブル)
- 予想外の出来事(嬉しかったこと)
- 次回は準備しようと思ったこと
- ゴールと引き換えに払った代償
- ゴールして得られたもの
- 総評
- おまけ:ゴール後の地獄と天国
参加の動機
- ここ数年は駅からスタートできる散歩コース(約10~20km)を歩くのが趣味で、
限界に挑戦してみたくなった。 - 平凡な日々とおさらばしてみたくなった。
事前の準備
- これまでの散歩経験で使い慣れた道具もあるので、特別な準備は無し。
結果
- スタート:10/21(土) 08:20(神奈川県立相模三川公園)
- ゴール :10/22(日) 10:34(新豊洲brilliaランニングスタジアム)
- タイム :26時間14分(休憩や仮眠を除くと歩いた時間は約21時間)
奇跡的にギリギリでゴール出来たが、準備不足で体はボロボロ。
通過するチェックポイント(CP)と閉門時間
- 途中のCPでバーコードによる到着確認があります。
- 各CPの閉門時間までに到着できなければ失格です。
- CPでは飲み物や食べ物などが貰えます。
CP(距離) | 場所 | 閉門時間 |
スタート(0km) | 相模三川公園(海老名市) | - |
CP1(23km) | 平塚漁港しおかぜ広場(平塚市) | - |
CP2(34km) | 湘南海岸公園 水の広場(藤沢市) | 18:00 |
CP3(55km) | 横浜市児童遊園地(横浜市保土ヶ谷区) | 21:30 |
CP4(69km) | ポートサイド公園(横浜市神奈川区) | - |
CP5(87km) | 鈴ヶ森道路児童遊園(品川区) | 8:15 |
ゴール(100km) | 新豊洲brilliaランニングスタジアム(江東区) | 11:00 |

スタート~CP1(平塚漁港しおかぜ広場):23km(8:20~13:20(5時間))
- 平坦なコース。23kmを5時間で歩いた。
- スタートしたばかりで、周りに参加者も多くワクワクしながら楽しく歩いた。

- 天気もよく17km付近の湘南銀河大橋は景色もよく気持ちよかった。

- 橋を渡った直後に、単純な歩道の段差で少し足を踏み外した。
一瞬バランスは崩したが転倒はせず。その時は痛くも痒くもなかった。 - CP1の「平塚漁港しおかぜ広場」では、水とカレーパンを頂きました。
周りにつられて、途中の休憩無しで来てしまったので、かなり疲れた。

CP1~CP2(湘南海岸公園 水の広場):11km(13:40~15:30(1時間50分))
- ひたすら海岸沿いの道。

- 最高の景色。自然と歩きも軽やかと思いきや、疲れで両太ももが痛くてペースが落ちた。。。

- CP2の湘南海岸公園でも、飲み物と食事を頂きました。

- CP2から出発しようとすると、腰から両太ももの痛みで立ち上がれず。
もう少し休んでストレッチして無理やり歩き始める。 - 34kmでこの痛みだとゴールは無理だろと悟る。
CP2~CP3(横浜市児童遊園地):21km(16:00~21:15(5時間15分))
- 断続的な上り坂が続く厳しいコース。

- ここからゴールまでの苦行の始まり。両太ももに激痛。息切れも。
- 痛みを和らげるために歩幅を小さくするしかなくスピード低下。
- すっかり日も落ちた。
- 途中で戸塚駅前を通過。このまま電車で帰ろうとする誘惑を何とか抑えた。
- CP3への到着が閉鎖時間のギリギリ15分前の21:15分。
- ここでも飲み物と食事を頂きましたが、疲労で写真は撮れず。
- この疲労と両ももの激痛で、ゴールまであと45kmはやっぱり無理そう。やれるところまで頑張ろうと進む。
CP3~CP4(ポートサイド公園):14km(21:30~01:00(3時間30分))
- 住宅街を抜けて、みなとみらいのビル群を抜けるコース。

- 夜中に歩くという初めての領域。景色は良いが、両ももの痛みで楽しむ余裕は無し。
- 0時を過ぎた付近から、他の参加者との距離が遠く、一人で歩く感じになった。
- 何とかCP4に到着。全身がバキバキ。もう歩き出せない。テント内にブルーシートを敷いてストーブが置かれていたので、仮眠をとることに。
- zzz
- ね、眠れない。。。コンビニでメガシャキや体力チャージのゼリーを飲んだせいか、寒いせいか。。。1時間くらい横になって休んだ。
- 恐る恐る靴下を脱いでみると、見たこともない大きさの水ぶくれが3か所。
どうすべきかわからず、取り合えず上からバンドエイドを1枚ずつ貼った。
そのまま靴下を履いて、ゴールするまでは見ないことを誓った。
CP4~CP5(鈴ヶ森道路児童遊園):18km(02:00~06:50(4時間50分))
- 真夜中に国道沿いをひたすら北上するコース。

- 仮眠から出発するも、激痛で全く歩幅が進まない。後日情報だと、長く休んだり寝たりすると筋肉が固まって余計に痛くなるなんて情報も。確かにほとんどの参加者は仮眠してる様子は無かった。
- 出発が夜中2:00で激寒。すぐにコンビニでカイロを買って肌着に貼り付けた。
- 仮眠して遅れたせいか、こんな夜中に前にも後ろにも参加者が見当たらない。
孤独、極寒、激痛、疲労、睡魔。エクストリーム(過激な)ウォークを体感した。 - ペースが半分以下でたぶん1時間で2kmくらいしか進めず。
計算するとこのペースではゴールに間に合わない。 - 地面に座ってリタイヤするかを真剣に考えた。
34kmのCP通過時:この痛みでまだ34km???100kmのゴールは無理だろ。
55kmのCP通過時:太ももがバキバキで動けない。ここから45km?無理無理無理。
69kmのCP通過時:もう動けない。取り合えず少し寝てから考えよう。
今(72kくらい):34km時点で絶対ダメだと思ったのに良くここまで来た。もう十分頑張ったよ。
でも、もしもゴール出来ればホントに自分の限界を超えたことになるな。そんな経験したことないな。
周りからは「寝ずに100km歩く意味あるの?(笑)」と言われたけど、ゴールすれば意味がわかるかもしれないな。
最近仕事も上手く行かないし、負けっぱなしは嫌だな!
よし、もう一度気合を入れて絶対ゴールしてやるぞ!! - ここからは他の人を真似て、腕を大きく前後に振ってみた。すると、手の力で足が動かせる感覚になった(嘘みたいなホントの話)。リズミカルになりスピードも出た。振る事で上半身の痛みもなくなり、ほんとに限界を超えてゾーンに入ったのか?
これまで抜かれることしか無かったのに、何人かに追いついて追い越した。かなり追い上げた。 - イヤホンで聞いていたAmazon Primeから、いきものがかりの「歩いていこう」が流れた。
歩いていこう♪歩いていこう♪僕は「今」を生きていくよ♪
はまった。。。
会社員として大卒入社から同じ職場、同じ仕事で26年働き続けて、辛いことも乗り越えてガムシャラに走り続けてきた。しかし、この大会の翌日から当面は仕事を抑える人生として大きな決断をしていた。
走り続けてもいつかは倒れるだけ。走り続けていると見えないものもある。
だったら一度自分で速度を緩めて、自分の人生を歩いていこうと。
迷いもあった決断だった。
そんな自分の境遇、流れる音楽、今歩いていること、この3つが重なった気がした。
100kmを歩く意味はここにあったのではないかと。
この辛さは、新たな人生の決断に対する覚悟が問われているのではないか。
そして自分の限界を超えてゴールすることが新たな人生を進む決意になるのではないか。
そんなことで1人で盛り上がりペースを上げていると、日も明けて正に光が見えてきた。

- 盛り上がりに便乗して、CP6には6:50に到着。これはゴールが狙える。
CP5~ゴール(新豊洲Brilliarランスタジアム):13km(07:00~10:30(3時間30分))
- 品川、東京タワー、銀座などの周辺を通り、人込みを抜けてゴールの新豊洲へ

- CP5から出発時に足の水ぶくれが更に痛くなった。たぶん皮がむけた。
でも見るのも怖いので何もせずに我慢することにした。 - 更に昨日の最初の区間で踏み外した右足の足首も激痛。
(※ゴール後にみたら、大きく腫れており明らかな捻挫) - 時間との戦いをしているのに、信号と人込みが進行をさまたげる。
- 一度止まると、動き出す際に激痛が走る。
- 腕を振る作戦は、疲労で腕も振れなくなっている。
- 信号待ちの周りの参加者も無言。ただ表情から焦りを感じる。
- 銀座の交差点を曲がるとあと3.5km。閉門時間の11:00まであと1時間。
- 道を曲がるたびに誘導員から「あと3km」、「あと2km」、「あと1km」、「あの橋を越えたらゴール」。もう歩けないけど、とにかく歩いた。
- そしてゴール。テープを切った瞬間に限界を超えた。
- ゴール証を受け取って、そのまま倒れこんで寝た。

結果の詳細
各区間での結果は以下でした。
- 「1kmの時間」より、やはり痛みが始まったCP2を過ぎてからペースダウン。
- CP3とゴールの「到着時間」が、「閉門時刻」ギリギリ。あと、15分 or 30分遅ければ失格だった。
- 大会のwebには「制限時間:26時間」とあり、私のゴール証に記載されたタイムは「26時間14分」。これって厳密には失格なんですかね。。。(泣)
区間 | 距離 | 出発時刻 | 到着時刻 | 閉門時刻 | 歩いた時間 | 1kmの時間 |
スタート~CP1 | 23km | 8:20 | 13:20 | - | 5:00 | 0:13 |
CP1~CP2 | 11km | 13:40 | 15:30 | 18:00 | 1:50 | 0:10 |
CP2~CP3 | 21km | 16:00 | 21:15 | 21:30 | 5:15 | 0:15 |
CP3~CP4 | 14km | 21:30 | 1:00 | - | 3:30 | 0:15 |
CP4~CP5 | 18km | 2:00 | 6:50 | 8:15 | 4:50 | 0:16 |
CP5~ゴール | 13km | 7:30 | 10:30 | 11:00 | 3:00 | 0:13 |
予想外の出来事(トラブル)
- 右足首を捻挫
スタートして17km付近で、単純な歩道の段差で足を踏み外した。一瞬バランスは崩したが転倒はせず。その時は痛くも痒くもなかったが、55km付近から右足首が痛み始め、ゴールに向かう最後の区間(13km)は激痛とお付き合い。
改めて自宅で左右を比較すると大きく腫れていた。もし途中で腫れを見ていたら、弱った心がリタイヤの理由にしていたかも。 - 足裏の水ぶくれ
普段からの散歩で靴を履き慣らしているし、その際にかかと部分の皮が固くなっていたので、水ぶくれの心配はしていなかった。
しかし、左右それぞれのかかと、右の足裏の計3か所に特大の水ぶくれができた。
55km付近から違和感があり、ゴールまでの約45kmはこの痛みとお付き合い。 - 腰から太腿の痛み
34kmのCPから出発しようとすると、腰から両太ももの痛みで立ち上がれず。そこからは歩いている最中も痛く、信号や休憩で止まった後に動き始める時に激痛。この痛みと約66kmの付き合いとなり、最も辛かった。 - 制限時間との戦い
参加前は制限時間の事は頭になかった。また、今回自分の歩くスピードが遅いことに気が付いた。体が痛みながらもスピードを緩めることができない恐怖との戦いだった。 - リタイヤしたい気持ちとの闘い
37km地点での両ももの激痛からは、リタイヤするかの葛藤は常に続いた。
リタイヤしても誰も何も困らない。何のためにこの激痛に耐えるのか。
それでもゴールできた事は自分の自信になった。 - 歩道は車道側は歩かない方が良い?
CP2~CP3は住宅も多く、車が入るために歩道の車道側が傾斜している箇所が多かった。そのため車道側を歩き続けると細かいアップダウンを繰り返し、これが疲れた体に地味に辛かった。できるだけ車道から離れた平坦な部分を歩いた。 - 隣の人が転げた
夜に歩いている時に、隣の人が躓いて転倒。大きな段差はなかったが、暗さと疲労で躓いたと思う。また、疲労から受け身も上手くとれなかった感じ。声を掛けをしたら大丈夫とのことで、後ろに同伴の方もいたのでそのまま進む。改めて疲労での転倒に注意して歩いた。 - 孤独との闘い
夜中に歩いたCP4~CP5の18kmは、前後に参加者もいないし、もちろん一般の人も見当たらないので、一人でとても孤独だった。遠くに小さく見えるLEDの光(参加者が手首に付けているスタート地点で配布されたLED)が唯一の支え。 - 夜間は寒い
周りの皆さんは夜間はジャンバーなどで防寒していたが、自分は荷物になるし持参せず。夜中は寒かった。替えの長袖Tシャツを重ね着して、コンビニでカイロを買って対応。 - 眠気
コンビニでメガシャキを2本飲んだせいか、眠気は思ったよりも辛さはなし。大会前夜は、久しぶりにあった会社のメンバと飲みに行ってしまい寝不足気味ではあったにもかかわらず。 - 信号と観光客が痛みを増加させる
後半のオフィス街での信号待ちと、たくさんの観光客で何度も足止めとなったことが、タイムロスと体の痛みに追い打ちをかけた。 - 地面の黄色の凸凹が痛い
地面にある黄色い点字ブロックを右足で踏むと足裏の水ぶくれが痛んだ。
できるだけ左足で踏むか避けて歩いた。
予想外の出来事(嬉しかったこと)
- 他の参加者との交流
- コンビニイートインで死にそうに休んでいると、すれ違いざまに若い参加者が「辛いけど頑張りましょう」と声をかけてくれた。
- ゴールまでの時間に焦っていると、「このペースで行って、CP6を7時までに通過すれば、制限時間内のゴールはいけますよ」と教えてくれた。
- 応援してくれた人たち
- 湘南の海沿いを歩いていると、ガンガンに音楽を掛けた陽気な方が参加者全員に声掛けをしてくれていた。なんとその方は、翌日にゴール付近でも同じように「あと2km~」と応援してくれていた。
- 各CPのスタッフの方や、コース上で誘導してくれる方が、優しく応援してくれた。特に、CP3で受け取った飲み物の紙コップに手書きの応援メッセージがあった。
- ゴールできたこと
これが最も予想外。そして最も嬉しかった。
次回は準備しようと思ったこと
- 足裏の水ぶくれ対策
足裏全体をテーピングで覆ってしまいたい。その方法を調べてみる。
「皮膚保護クリーム」が足裏にも効くらしい。ぜひ試したい。 - 痛み止めを用意
どこまで効くかわからないが、痛み止めのテープや薬を試してみたい。 - 靴を再検討
履きなれた靴でもダメだった。専門的に自分にあった靴を探してみたい。
ゴールと引き換えに払った代償
- 足裏の水ぶくれ(左右で特大の3か所):全治1週間?
- 右足首の捻挫:全治2週間?
- 両ふとももの筋肉疲労:全治3日?
ゴールして得られたもの
- 自分の限界を越えたという自信と実績
- 飲みの席などでの話のネタ
総評
初参加でゴールできて嬉しい。でも体がボロボロ。
仕事ではプロジェクトマネージャだが、今回は計画検討やリスク管理などの準備が全くできておらずマネージャ失格(仕事が忙しすぎたせいですが。。。)
ただ、限界を超えてゴールできたことを自信にして新たな人生に進みたい。
ゴールした当日は、激痛でもう二度と参加しないと誓った。ゴールも出来たし。
3日後の今は、痛みが和らいで来て「もっと準備してスマートにゴールしたいな」と少し思い始めた。でも、あの辛さをまた味わうのかと思うとやっぱり参加しないかも。だってホントに辛かっただもん。
おまけ:ゴール後の地獄と天国
ゴール直後にそのまま1時間眠り、起きて帰ろうとするも体が更に激痛。自宅までの帰路が地獄だった。せっかくゴールしたのにまだ延長戦で歩かせるのか。。。
もっと休みたかったが会場の片付けも始まっているので、両足とも摺り足で帰路についた。最寄りの「市場前」駅まで数百メートルだが20分もかかった。
そこから、ゆりかもめ、有楽町線、千代田線、小田急線に乗り換えだが、駅の階段もエスカレータも乗れず、エレベータを探しながら移動。有楽町線から千代田線の乗り換えは距離が長いし、なぜか途中で階段を下ったのにすぐに上ると言う意味不明な構造。。。電車は座れず立っていたが、振動の踏ん張りで常時激痛。
自宅の最寄り駅に着くも自転車には乗れないので、奥様が車で迎えに来てくれた。自宅に到着するも寝室の2階への階段も苦痛。
一眠りした後に、奥様が疲労回復を考慮して作ってくれた夕飯とキリンホームタップの生ビールで、最高に幸せな夕飯でした。
以上
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